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未収金対策①発生させない工夫(i)

更新日:2022年2月18日



未収金はどこでも発生します。突然の受診が必要な時は、持ち合わせが少なくても一度銀行に寄ってからなんて言ってられない時もあります。病院側としても、お金が無いからと言うだけで受診を断る事は出来ません。医療法で定められた応需義務に違反する事にもなります。そのため、日頃からキチンと対策を立てておく必要があります。


医療機関という立場からは、回収だけ出来ればいいと言うものではありません。対策としては、⑴未収金を発生させない工夫 ⑵未収金が発生した時の対応 ⑶未収金の回収 ⑷未収金の分析の4つのポイントに分けて考えたい。


⑴未収金を発生させないためには、患者さまが必要となる治療費を持って来ていただければ済む事ですが、医療機関側にも当然配慮が必要です。


➀事前に治療費をお知らせする

診察をして検査をする時には「これぐらいの費用になりますが、大丈夫ですか」と確認をしたい。また、定期検査をする時や検査紹介をする時など、「だいたいこれぐらいの費用が掛かります」と事前にお伝えしメモなど渡す事が出来れば、未収金の発生は減らす事が出来るはずです。検査紹介も紹介先に依頼すれば、金額表なども貰えるはずです。


当然、先に言われたからと言って生活費にも困っているケースもある。そういう場合は患者さまとも相談し、検査項目を絞る事が出来れば費用は少なくて済みます。また、生活に困っているようであれば、福祉事務所をご案内し生活保護の適用も検討してあげるべきです。


ご自分の収入で生活保護の適用になる事を知らない方もいるし、公的な援助を受ける事に非常に抵抗感を持っている方もいます。かってはどこの病院にもMSW(メディカルソーシャルワーカー)が在籍していたが、地域連携室が普及してからMSWの業務は入退院業務がメインとなり、本来のMSWの仕事が出来なくなって来ている事もあり、この辺のサポートが減っています。


②治療費が低くなる工夫

お薬の種類を減らす事が出来ないかと考える事も一つです。多剤服用による弊害も問題になり、診療報酬上もお薬を減らす事で点数が付くような誘導もされています。可能ならば、お薬手帳を毎回確認し、お薬が重複しないような配慮も欲しいと思います。

更には、確実に安価となる後発医薬品を処方する事も考えて欲しい。


最近はフォーミュラリーの取り組みも進んでいます。『患者に対して最も有効で経済的な医薬品の使用』を目指すものです。


また、治療費の金額にもよりますが、いろんな検査や手術を一ヶ月に凝縮する事も一つの配慮です。高額療養費の制度は月単位の治療費の総額が限度額を超えた場合に、限度額を超えた金額が返って来るというものです。よって、高額な検査や処置を同一月内に一緒にする事が出来れば限度額を超えた一部の治療費が返って来ますが、月を分けて行うとその限度額に達せず返って来たかも知れない治療費も返らないという事になります。


ただ、多くの患者さまからこの理由で、検査や処置の日程を希望されても病院は検査や処置が予定どおり進まず、困る事にもなります。配慮出来る範囲で実施してあげて欲しいと思います。


※この続きは次回以降書いて行きたいと思います。


photo-ac.com/からの画像


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